貸付通達

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(選択特例対象宅地等のうちに貸付事業用宅地等がある場合の限度面積要件)
69の4‐10 措置法第69条の4第2項第3号の要件に該当する場合を算式で示せば、次のとおりである。
A × 200 + B × 200 + C ≦ 200㎡
400 330
(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Aは、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべての措置法第69条の4第1項に規定する選択特例対象宅地等(以下69の4‐11において「選択特例対象宅地等」という。)である同条第2項第1号に規定する特定事業用等宅地等の面積の合計
Bは、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべての選択特例対象宅地等である同条第3項第2号に規定する特定居住用宅地等の面積の合計
Cは、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべての選択特例対象宅地等である同条第3項第4号に規定する貸付事業用宅地等の面積の合計

(不動産貸付業等の範囲)
69の4‐13 被相続人等の不動産貸付業、駐車場業又は自転車駐車場業については、その規模、設備の状況及び営業形態等を問わず全て措置法第69条の4第3項第1号及び第4号に規定する不動産貸付業又は措置法令第40条の2第7項に規定する駐車場業若しくは自転車駐車場業に当たるのであるから留意する。
(注) 措置法令第40条の2第1項に規定する準事業は、上記の不動産貸付業、駐車場業又は自転車駐車場業に当たらないことに留意する。


(下宿等)
69の4‐14 下宿等のように部屋を使用させるとともに食事を供する事業は、措置法第69条の4第3項第1号及び第4号に規定する「不動産貸付業その他政令で定めるもの」に当たらないものとする。





(限度面積要件を満たさない場合)
69の4‐11 選択特例対象宅地等が措置法第69条の4第2項に規定する限度面積要件を満たしていない場合は、その選択特例対象宅地等のすべてについて同条第1項の適用がないことに留意する。
 なお、この場合、その後の国税通則法(昭和37年法律第66号)第18条第2項《期限後申告》に規定する期限後申告書及び同法第19条第3項《修正申告》に規定する修正申告書において、その選択特例対象宅地等が限度面積要件を満たすこととなったときは、その選択特例対象宅地等について措置法第69条の4第1項の適用がある(69の4‐12に規定する場合を除く。)ことに留意する。

(小規模宅地等の特例、特定計画山林の特例又は個人の事業用資産についての納税猶予及び免除を重複適用する場合に限度額要件等を満たさないとき)
69の4‐12 措置法第69条の4第1項に規定する小規模宅地等(以下69の5‐13までにおいて「小規模宅地等」という。)、措置法第69条の5第1項《特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例》に規定する選択特定計画山林(以下69の5‐13までにおいて「選択特定計画山林」という。)又は措置法第70条の6の10第1項《個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除》に規定する特例事業用資産のうち同条第2項第1号イに掲げるもの(以下69の5‐13までにおいて「猶予対象宅地等」という。)について、措置法第69条の4第1項、第69条の5第1項又は第70条の6の10第1項の規定の適用を重複して受けようとする場合において、その選択特定計画山林の価額が措置法第69条の5第5項(措置法令第40条の2の2第9項において読み替えて適用する場合を含む。)に規定する限度額(69の5‐12参照)を超えるとき又はその猶予対象宅地等の面積が同号イに規定する限度面積(70の6の10‐17参照)を超えるときは、その小規模宅地等の全てについて措置法第69条の4第1項の規定の適用はないことに留意する。
 なお、この場合、その後の国税通則法第18条第2項に規定する期限後申告書及び同法第19条第3項に規定する修正申告書において、当該限度額又は当該限度面積を超えないこととなったときは、その小規模宅地等について措置法第69条の4第1項の規定の適用があることに留意する。
(注)
1 上記の限度額を超える場合における当該選択特定計画山林及び上記の限度面積を超える場合における当該猶予対象宅地等は、その全てについて措置法第69条の5第1項及び第70条の6の10第1項の規定の適用もないことに留意する(69の5‐13及び70の6の10‐18参照)。
2 上記の「猶予対象宅地等」には、措置法第70条の6の9第1項《個人の事業用資産の贈与者が死亡した場合の相続税の課税の特例》(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされた措置法第70条の6の8第1項《個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除》に規定する特例受贈事業用資産のうち同条第2項第1号イに掲げるものを含むことに留意する。

(被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等)
69の4‐24の2 宅地等が措置法第69条の4第3項第4号に規定する被相続人等の貸付事業(以下69の4‐24の8までにおいて「貸付事業」という。)の用に供されていた宅地等に該当するかどうかは、当該宅地等が相続開始の時において現実に貸付事業の用に供されていたかどうかで判定するのであるが、貸付事業の用に供されていた宅地等には、当該貸付事業に係る建物等のうちに相続開始の時において一時的に賃貸されていなかったと認められる部分がある場合における当該部分に係る宅地等の部分が含まれることに留意する。
(注) 69の4‐5の取扱いがある場合を除き、新たに貸付事業の用に供する建物等を建築中である場合や、新たに建築した建物等に係る賃借人の募集その他の貸付事業の準備行為が行われているに過ぎない場合には、当該建物等に係る宅地等は貸付事業の用に供されていた宅地等に該当しないことに留意する。

(新たに貸付事業の用に供されたか否かの判定)
69の4‐24の3 措置法第69条の4第3項第4号の「新たに貸付事業の用に供された」とは、貸付事業の用以外の用に供されていた宅地等が貸付事業の用に供された場合又は宅地等若しくはその上にある建物等につき「何らの利用がされていない場合」の当該宅地等が貸付事業の用に供された場合をいうことに留意する。
 したがって、賃貸借契約等につき更新がされた場合は、新たに貸付事業の用に供された場合に該当しないことに留意する。
 また、次に掲げる場合のように、貸付事業に係る建物等が一時的に賃貸されていなかったと認められるときには、当該建物等に係る宅地等は、上記の「何らの利用がされていない場合」に該当しないことに留意する。
(1) 継続的に賃貸されていた建物等につき賃借人が退去をした場合において、その退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき(新たな賃借人が入居するまでの間、当該建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。
(2) 継続的に賃貸されていた建物等につき建替えが行われた場合において、建物等の建替え後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき(当該建替え後の建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る
(3) 継続的に賃貸されていた建物等が災害により損害を受けたため、当該建物等に係る貸付事業を休業した場合において、当該貸付事業の再開のための当該建物等の修繕その他の準備が行われ、当該貸付事業が再開されていたとき(休業中に当該建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。
(注)
 1 建替えのための建物等の建築中に相続が開始した場合には69の4‐5の取扱いが、また、災害による損害のための休業中に相続が開始した場合には69の4‐17の取扱いが、それぞれあることに留意する。
 2 (1)、(2)又は(3)に該当する場合には、当該宅地等に係る「新たに貸付事業の用に供された」時は、(1)の退去前、(2)の建替え前又は(3)の休業前の賃貸に係る貸付事業の用に供された時となることに留意する。
 3 (2)に該当する場合において、建替え後の建物等の敷地の用に供された宅地等のうちに、建替え前の建物等の敷地の用に供されていなかった宅地等が含まれるときは、当該供されていなかった宅地等については、新たに貸付事業の用に供された宅地等に該当することに留意する。


(特定貸付事業の意義)
69の4‐24の4 措置法令第40条の2第19項に規定する特定貸付事業(以下69の4‐24の8までにおいて「特定貸付事業」という。)は、貸付事業のうち準事業以外のものをいうのであるが、被相続人等の貸付事業が準事業以外の貸付事業に当たるかどうかについては、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で当該貸付事業が行われていたかどうかにより判定することに留意する。
 なお、この判定に当たっては、次によることに留意する。
(1) 被相続人等が行う貸付事業が不動産の貸付けである場合において、当該不動産の貸付けが不動産所得(所得税法昭和40年法律第33号第26条第1項《不動産所得》に規定する不動産所得をいう。以下(1)において同じ。)を生ずべき事業として行われているときは、当該貸付事業は特定貸付事業に該当し、当該不動産の貸付けが不動産所得を生ずべき事業以外のものとして行われているときは、当該貸付事業は準事業に該当すること。
(2) 被相続人等が行う貸付事業の対象が駐車場又は自転車駐車場であって自己の責任において他人の物を保管するものである場合において、当該貸付事業が同法第27条第1項《事業所得》に規定する事業所得を生ずべきものとして行われているときは、当該貸付事業は特定貸付事業に該当し、当該貸付事業が同法第35条第1項《雑所得》に規定する雑所得を生ずべきものとして行われているときは、当該貸付事業は準事業に該当すること。
(注) (1)又は(2)の判定を行う場合においては、昭和45年7月1日付直審()30「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)26‐9《建物の貸付けが事業として行われているかどうかの判定》及び27‐2《有料駐車場等の所得》の取扱いがあることに留意する。

(特定貸付事業が引き続き行われていない場合)
69の4‐24の5 相続開始前3年以内に宅地等が新たに被相続人等が行う特定貸付事業の用に供された場合において、その供された時から相続開始の日までの間に当該被相続人等が行う貸付事業が特定貸付事業に該当しないこととなったときは、当該宅地等は、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた被相続人等の貸付事業の用に供されたものに該当せず、措置法第69条の4第3項第4号に規定する貸付事業用宅地等の対象となる宅地等から除かれることに留意する。
(注) 被相続人等が行っていた特定貸付事業が69の4‐24の3に掲げる場合に該当する場合には、当該特定貸付事業は、引き続き行われているものに該当することに留意する。

(相続開始前3年を超えて引き続き貸付事業の用に供されていた宅地等の取扱い) 
69の4‐24の7 相続開始前3年を超えて引き続き被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等については、措置法令第40条の2第19項に規定する特定貸付事業以外の貸付事業に係るものであっても、措置法第69条の4第3項第4号イ又はロに掲げる要件を満たす当該被相続人の親族が取得した場合には、同号に規定する貸付事業用宅地等に該当することに留意する。
(注) 被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等が69の4‐24の3に掲げる場合に該当する場合には、当該宅地等は引き続き貸付事業の用に供されていた宅地等に該当することに留意する。


(平成30年改正法附則による貸付事業用宅地等に係る経過措置について)
69の4‐24の8 平成30年改正法附則第118条第4項の規定により、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得をした宅地等については、平成30年4月1日以後に新たに貸付事業の用に供されたもの(相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた被相続人等の当該特定貸付事業の用に供されたものを除く。)が、措置法第69条の4第3項第4号に規定する貸付事業用宅地等の対象となる宅地等から除かれることに留意する。