事業用通達

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被相続人等の事業の用に供されていた宅地等の範囲)
69の4‐4 措置法第69条の4第1項に規定する被相続人等の事業の用に供されていた宅地等(以下69の4‐18までにおいて「事業用宅地等」という。)とは、次に掲げる宅地等をいうものとする。
(1) 他に貸し付けられていた宅地等(当該貸付けが事業に該当する場合に限る。
(2) (1)に掲げる宅地等を除き、被相続人等の事業の用に供されていた建物等で、被相続人等が所有していたもの又は被相続人の親族(被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族を除く。)が所有していたもの(被相続人等が当該建物等を当該親族から無償相当の対価に至らない程度の対価の授受がある場合を含む。以下69の4‐33までにおいて同じ。で借り受けていた場合における当該建物等に限る。)の敷地の用に供されていたもの


(使用人の寄宿舎等の敷地)

69の4‐6 被相続人等の営む事業に従事する使用人の寄宿舎等(被相続人等の親族のみが使用していたものを除く。)の敷地の用に供されていた宅地等は、被相続人等の当該事業に係る事業用宅地等に当たるものとする。


(宅地等を取得した親族が申告期限までに死亡した場合)
69の4‐15 被相続人の事業用宅地等を相続又は遺贈により取得した被相続人の親族が当該相続に係る相続税の申告期限までに死亡した場合には、当該親族から相続又は遺贈により当該宅地等を取得した当該親族の相続人が、措置法第69条の4第3項第1号イ又は第4号イの要件を満たせば、当該宅地等は同項第1号に規定する特定事業用宅地等又は同項第4号に規定する貸付事業用宅地等に当たるのであるから留意する。
(注) 当該相続人について措置法第69条の4第3項第1号イ又は第4号イの要件に該当するかどうかを判定する場合において、同項第1号又は第4号の申告期限は、相続税法第27条第2項《相続税の申告書》の規定による申告期限をいい、また、被相続人の事業を引き継ぐとは、当該相続人が被相続人の事業(措置令第40条の2第1項に規定する事業を含む。以下69の4‐15において同じ。)を直接引き継ぐ場合も含まれるのであるから留意する。

(申告期限までに転業又は廃業があった場合)
69の4‐16 措置法第69条の4第3項第1号イの要件の判定については、同号イの申告期限までに、同号イに規定する親族が当該宅地等の上で営まれていた被相続人の事業の一部を他の事業(同号に規定する事業に限る。)に転業しているときであっても、当該親族は当該被相続人の事業を営んでいるものとして取り扱う。
 なお、当該宅地等が被相続人の営む2以上の事業の用に供されていた場合において、当該宅地等を取得した同号イに規定する親族が同号イの申告期限までにそれらの事業の一部を廃止したときにおけるその廃止に係る事業以外の事業の用に供されていた当該宅地等の部分については、当該宅地等の部分を取得した当該親族について同号イの要件を満たす限り、同号に規定する特定事業用宅地等に当たるものとする。
(注)
1 措置法第69条の4第3項第4号イの要件の判定については、上記に準じて取り扱う。
2 措置法第69条の4第3項第1号ロ、同項第3号及び同項第4号ロの要件の判定については、上記のなお書に準じて取り扱う。

(宅地等を取得した親族が事業主となっていない場合)
69の4‐20 措置法第69条の4第3項第1号イに規定する事業を営んでいるかどうかは、事業主として当該事業を行っているかどうかにより判定するのであるが、同号イに規定する親族が就学中であることその他当面事業主となれないことについてやむを得ない事情があるため、当該親族の親族が事業主となっている場合には、同号イに規定する親族が当該事業を営んでいるものとして取り扱う。
(注) 事業を営んでいるかどうかは、会社等に勤務するなど他に職を有し、又は当該事業の他に主たる事業を有している場合であっても、その事業の事業主となっている限りこれに当たるのであるから留意する。


(新たに事業の用に供されたか否かの判定)
69の4‐20の2 措置法第69条の4第3項第1号の「新たに事業の用に供された宅地等」とは、事業(貸付事業同項第4号に規定する貸付事業をいう。以下69の4‐20の2において同じ。を除く。以下69の4‐20の5までにおいて同じ。)の用以外の用に供されていた宅地等が事業の用に供された場合の当該宅地等又は宅地等若しくはその上にある建物等につき「何らの利用がされていない場合」の宅地等が事業の用に供された場合の当該宅地等をいうことに留意する。
 したがって、例えば、居住の用又は貸付事業の用に供されていた宅地等が事業の用に供された場合の当該事業の用に供された部分については、「新たに事業の用に供された宅地等」に該当するが、事業の用に供されていた宅地等が他の事業の用に供された場合の当該他の事業の用に供された部分については、これに該当しないことに留意する。
 また、次に掲げる場合のように、事業に係る建物等が一時的に事業の用に供されていなかったと認められるときには、当該建物等に係る宅地等は、上記の「何らの利用がされていない場合」の宅地等に該当しないことに留意する。
(1) 継続的に事業の用に供されていた建物等につき建替えが行われた場合において、建物等の建替え後速やかに事業の用に供されていたとき(当該建替え後の建物等を事業の用以外の用に供していないときに限る。
(2) 継続的に事業の用に供されていた建物等が災害により損害を受けたため、当該建物等に係る事業を休業した場合において、事業の再開のための当該建物等の修繕その他の準備が行われ、事業が再開されていたとき(休業中に当該建物等を事業の用以外の用に供していないときに限る。
(注)
1 建替えのための建物等の建築中に相続が開始した場合には69の4‐5の取扱いが、また、災害による損害のための休業中に相続が開始した場合には69の4‐17の取扱いが、それぞれあることに留意する。
2 (1)又は(2)に該当する場合には、当該宅地等に係る「新たに事業の用に供された」時は、(1)の建替え前又は(2)の休業前の事業に係る事業の用に供された時となることに留意する。
3 (1)に該当する場合において、建替え後の建物等の敷地の用に供された宅地等のうちに、建替え前の建物等の敷地の用に供されていなかった宅地等が含まれるときは、当該供されていなかった宅地等については、新たに事業の用に供された宅地等に該当することに留意する。

(政令で定める規模以上の事業の意義等)
69の4‐20の3 措置法令第40条の2第8項で定める規模以上の事業は、次に掲げる算式を満たす場合における当該事業(以下69の4‐20の3において「特定事業」という。)であることに留意する。
 なお、特定事業に該当するか否かの判定は、下記の特定宅地等ごとに行うことに留意する。
(算式)
事業の用に供されていた減価償却資産(注1)のうち被相続人等が有していたもの(注2)の相続の開始の時における価額の合計額 15
新たに事業の用に供された宅地等(以下69の4‐20の3において「特定宅地等」という。)(注3)の相続の開始の時における価額 100
(注)
1 「減価償却資産」とは、特定宅地等に係る被相続人等の事業の用に供されていた次に掲げる資産をいい、当該資産のうちに当該事業の用以外の用に供されていた部分がある場合には、当該事業の用に供されていた部分に限ることに留意する。
① 特定宅地等の上に存する建物(その附属設備を含む。)又は構築物
② 所得税法第2条第1項第19号《定義》に規定する減価償却資産で特定宅地等の上で行われる当該事業に係る業務の用に供されていたもの(①に掲げるものを除く。
   なお、当該事業が特定宅地等を含む一の宅地等の上で行われていた場合には、特定宅地等を含む一の宅地等の上に存する建物(その附属設備を含む。)又は構築物のうち当該事業の用に供されていた部分並びに上記②の減価償却資産のうち特定宅地等を含む一の宅地等の上で行われる当該事業に係る業務の用に供されていた部分(当該建物及び当該構築物を除く。)は、上記①又は②に掲げる資産にそれぞれ含まれることに留意する。
 また、上記②に掲げる資産が、共通して当該業務及び当該業務以外の業務の用に供されていた場合であっても、当該資産の全部が上記②に掲げる資産に該当することに留意する。
 おって、「事業の用に供されていた減価償却資産」に該当するか否かの判定は、特定宅地等を新たに事業の用に供した時ではなく、相続開始の直前における現況によって行うことに留意する。したがって、例えば、特定宅地等を新たに事業の用に供した後に被相続人等が取得した上記②に掲げる資産も上記算式の分子に含まれることに留意する。
2 「被相続人等が有していたもの」は、事業を行っていた被相続人又は事業を行っていた生計一親族(被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族をいう。)が、自己の事業の用に供し、所有していた減価償却資産であることに留意する。
3 「特定宅地等」は、相続開始の直前において被相続人が所有していた宅地等であり、当該宅地等が数人の共有に属していた場合には当該被相続人の有していた持分の割合に応ずる部分であることに留意する。

(相続開始前3年を超えて引き続き事業の用に供されていた宅地等の取扱い)
69の4‐20の4 相続開始前3年を超えて引き続き被相続人等の事業の用に供されていた宅地等については、「措置法令第40条の2第8項に定める規模以上の事業を行っていた被相続人等の事業」以外の事業に係るものであっても、措置法第69条の4第3項第1号イ又はロに掲げる要件を満たす当該被相続人の親族が取得した場合には、同号に規定する特定事業用宅地等に該当することに留意する。
(注) 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等が69の4‐20の2に掲げる場合に該当する場合には、当該宅地等は引き続き事業の用に供されていた宅地等に該当することに留意する。


平成31年改正法附則による特定事業用宅地等に係る経過措置について)
69の4‐20の5 所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)附則第79条第2項の規定により、平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得をした宅地等については、平成31年4月1日以後に新たに事業の用に供されたもの(措置法令第40条の2第8項に定める規模以上の事業を行っていた被相続人等の事業の用に供されたものを除く。)が、措置法第69条の4第3項第1号に規定する特定事業用宅地等の対象となる宅地等から除かれることに留意する。

(個人の事業用資産についての納税猶予及び免除の適用がある場合)
69の4‐26の2 被相続人が次に掲げる者のいずれかに該当する場合には、措置法第69条の4第6項の規定により、当該被相続人から相続又は遺贈により取得をした全ての同条第3項第1号に規定する特定事業用宅地等について、同条第1項の規定の適用がないことに留意する。
1 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けた同条第2項第2号に規定する特例事業受贈者に係る同条第1項に規定する贈与者
2 措置法第70条の6の10第1項の規定の適用を受ける同条第2項第2号に規定する特例事業相続人等に係る同条第1項に規定する被相続人
(注)
1 上記の「取得」には、措置法第70条の6の9第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により相続又は遺贈により取得をしたものとみなされる場合における当該取得が含まれることに留意する。
2 当該被相続人から相続又は遺贈により取得をした措置法第69条の4第3項第2号に規定する特定居住用宅地等、同項第3号に規定する特定同族会社事業用宅地等及び同項第4号に規定する貸付事業用宅地等については、同条第6項の規定の適用はないことに留意する。